復興への道、本で追想 奈良県立図書情報館に阪神・淡路大震災特設コーナー
17日、阪神・淡路大震災の発生から28年を迎え、奈良市大安寺西1丁目の奈良県立図書情報館では、震災の被災地復興への道をたどる関連書籍を3階図書展示コーナーで展示している。同館所蔵の書籍約100冊とともに、震災直後と現在の写真の展示なども行う。3月30日まで。
地震発生後の映像をスマートフォンで見られる「スマホで見る阪神淡路大震災」、京都で被災したイギリス人の著者が神戸市が震災復興で達成したことをデータに基づき詳しく紐解いた「よみがえる神戸」をはじめ、被害の全貌と復興政策などを学べる書籍や、防災心理学など同震災から発展した防災の学問に関する書籍も並び、来館者へ防災意識を高めるきっかけを提供している。
また、神戸大学名誉教授で、救援スタッフと地元精神科医との連携に務めた県出身の故・中井久夫さんの著書「災害がほんとうに襲った時」は、震災後の人々の心のケアについて綴られている。中井さんは震災後に広まったPTSD(心的外傷後ストレス障害)などを研究や治療する全国初の施設「兵庫県こころのケアセンター」初代センター長にも就任している。
同館司書の酒匂嘉子さんは「奈良から遠くない場所で起きた震災を思い出し、南海トラフへの防災について今一度考えていただけたら」、同じく司書の片山智加子さんは「復興をとげた被災地の方の苦労や力強さを知っていただきたい」と話している。
午前9時から午後8時開館。月曜日休館。