歴史文化
厳かに響く声明 奈良・法隆寺で「金堂修正会」
奈良県斑鳩町法隆寺山内の法隆寺で、国家の安隠や人々の幸せを祈る正月の伝統行事「金堂修正会(しゅしょうえ)」が営まれている。11日夜の法要が報道関係者に公開された。
奈良時代の768(神護景雲2)年に始まったとされる法会。8日から14日までの7日間、「六時の行法」と呼ばれる1日6回の法要を繰り返す。金堂の釈迦三尊像の両脇に安置されている吉祥天像と毘沙門天像(いずれも国宝)を本尊とし、「金堂御行(みおこない)」「吉祥悔過(けか)」とも呼ばれる。
午後6時、灯明とろうそくのみがともされた金堂内に古谷正覚住職ら僧侶8人が入堂。厳粛な雰囲気の中、独特な節回しで声明(しょうみょう)を響かせた。
僧侶らはウルシの木で作られた加持杖を手にほら貝を吹き鳴らして堂内を一巡。「南無大吉祥天菩薩」を省略して「ダーイ」と大声で3回唱えるなどした。
金堂修正会はあす14日に結願(けちがん)を迎える。