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五條新町に伝統的なインド刺しゅうの店が10月7日オープン - 重要伝統的建造物群保存地区の空き家を活用

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江戸末期の商家を改装した重厚な店内。インド刺しゅうの製品を手にする伊達さん=5日、五條市本町2の「ししゅうと暮らしのお店奈良五條」

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 奈良県五條市の重要伝統的建造物群保存地区「五條新町」の空き家を活用して、伝統的なインド刺しゅうの店「ししゅうと暮らしのお店奈良五條」があす7日、移転オープンする。同刺しゅうの服飾品を生産・販売する会社「イトバナシ」(本社・五條市、伊達文香代表)の直営店。

 

 店は、江戸から昭和にかけての木造住宅が立ち並ぶ同市の中心市街地の町なみで、ちょっと目を引くモルタル張り2階建て。実は通りに面した外観だけの模擬洋装で、一歩入ると立派な柱と梁(はり)に支えられた和風建築になっている。元は江戸末期築の商家で、昭和11年に眼科医院が開業する時に改装したという。

 

 家主が亡くなった後、地元のまちづくりNPOに寄付され、旧店舗が手狭になったイトバナシが賃貸で入居した。診察室や待合など約百平方メートルを店舗として利用。インド刺しゅうの女性服や男女兼用のパーカー、Tシャツなど自社ブランドの衣料品と「世界の手仕事」をテーマにした月替わりのセレクト雑貨などを販売する。

 

 今月はイランやチュニジアなど中東地域の平織りラグ「キリム」やガラス製品、リサイクルプラスチックのかごバッグ(メキシコ)など。フェアトレード製品を選んでいる。

 

 インドの刺しゅう製品は、世界一細かいといわれるソズニ刺しゅう(カシミール地方)や古い絹製サリーのパッチワークを刺し子のように縫い付けるカンタ刺しゅう(コルカタ地方)など高い技術の手仕事でストール1万6500円~9万9000円、ワンピース4万2000円など。イトバナシがデザインし、提携している現地の縫製工場で製造している。

 

 代表の伊達さん(30)は五條市出身で、新町通りは中高時代の通学路。次第にひっそりしていく町なみの変化を見ていた。今年2月に新町通りでチョコレート製造・販売「チョコバナシ」(毎週金~日曜営業)をオープンし、リノベーション店舗の運営は2件目。「明かりがともるとやっぱりいいなと思います。回遊性を高めるなどして、五條にゆっくり滞在してもらえるようにしたい」と地域活性化も担う。

 

 イトバナシ直営は東広島市と五條市の2店舗でどちらも営業日は月3~4日間限定。奈良五條店の営業日は10月7~10日、11月11~13日。午前11時~午後5時。問い合わせは同店、電話080(5324)2847。

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