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急な大雨対策 - “大気の状態が不安定”にご用心

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※画像はイメージ

 気象庁は6月28日近畿地方が梅雨明けしたとみられると発表しました。これは、統計がある1951年以降最も早い梅雨明けとなったそうです。梅雨が明けて、晴れた暑い日が続くようになると雨に対する意識が薄れがちですが、急な大雨に見舞われることが増えています。どうすれば急な天気の変化に気づくことができるのか、大雨のメカニズムについて紹介します。

 

 

ーー大雨を降らす積乱雲

 

 積乱雲は、「大気の状態が不安定」な気象条件で発生・発達しやすくなります。

 

 「大気の状態が不安定」とは、上空に冷たい空気があり、地上には温められた空気の層がある状態です。温かい空気は上へと昇り、冷たい空気は下へと降りようとするため対流が起きやすくなります。上空と地上の温度差が大きいほど、不安定の度合いが強くなり、より悪条件の場合は「大気の状態が非常に不安定」となります。

 

 テレビなどの天気予報で「大気の状態が不安定」というコメントを聞いたことはありませんか。これは、上空に冷たい空気があり、地上には温められた空気の層がある状態です。積乱雲が発生しやすい気象条件となるので、天気予報を注意して聞いておくとよいそうです。

 

積乱雲の構造(気象庁HP参照)

 

 

ーー積乱雲が近づくサインを知る

 

 「さっきまで晴れていたのに急に暗くなってきた」といったようなことはありませんか。次のような変化を感じたときは積乱雲が近づいてきたサインです。

 

●真っ黒い雲が近づいてきた

 

●急に暗くなってきた

 

●雷の音が聞こえてきた

 

●急に冷たい風が吹いてきた

 

 ゴロゴロという雷の音を聞いて「まだ遠いね」と思う人もありますが、実は積乱雲の水平方向の広がりは数kmから十数kmと大きいので、雷鳴が聞こえるとどこにでも落ちる可能性があることを忘れないでください。

 

 

ーー積乱雲に伴う現象と災害

 

 積乱雲による局地的な大雨では、急に強い雨が降り、降った雨が低い場所へ一気に流れ込むため、降り始めから十数分間程度で中小河川が増水したり、低地や道路のアンダーパスが冠水したりといったことで、災害が発生することがあります。

 

 水の力は大変強力で、たった15cm程度の水の流れでも、足を取られたり、立っていられなくなったりします。また、今いる場所は雨が降っていなくても、山間部での急な大雨によりてっぽう水が発生することもあります。

 

 また、積乱雲の下では、竜巻等の激しい突風や雷などの激しい現象が発生することがあります。

 

 落雷や「ひょう」でも、停電等の社会インフラへの被害や果樹等の農作物への被害が発生したり、時には人命が失われたりすることがあります。

 

大雨で冠水した道路を水しぶきを上げて走る車=橿原市畝傍町(2019年7月26日奈良新聞掲載)

 

 

ーー身を守るためにはどうすればよい?

 

 先ほど紹介した、積乱雲が近づくサインを見逃さないことが大切です。

 

【積乱雲の近づく兆しを察知した時】

 

●屋外にいる時は、川や低い場所からすぐに離れる。頑丈な建物など安全な場所に移動する。

 

●屋内にいる時は、雨戸や窓、カーテンなどを閉める。

 

 積乱雲が近づいてくるサインを見逃さず、早めの行動を心がけてください。

 

 

 

【取材協力】奈良地方気象台

 

気象庁防災啓発ビデオ「急な大雨・雷・竜巻から身を守ろう!」▶こちら

 

奈良地方気象台HP▶こちら

 

奈良地方気象台「バーチャル気象台」▶こちら

 

ならドットFM協力のもと、月1回気象に関する動画を配信中。8月1日~31日までは「お天気フェア」を開催予定。夏休み期間限定、天気や防災などに関する子ども向け動画を配信します。

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