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広陵町営住宅問題 男性会社落札の請負契約締結案を全会一致で否決 - 広陵町会

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広瀬川調整池整備工事の請負契約締結案を全会一致で否決した広陵町議会=21日、広陵町役場

 奈良県広陵町の6月定例議会(吉村裕之議長、14人)は最終日の21日、町営住宅を取り壊して自宅を建築した男性(73)=同町疋相=の建設会社が落札した「広瀬川調整池整備工事」の請負契約締結案を全会一致で否決した。さらに、男性が全面改築して入居している町営住宅の明け渡し、入札参加資格の停止などを求める決議も可決した。

 

 広瀬川調整池整備工事は男性の会社を代表とするJV(共同企業体)が1億1739万円で落札。16日の総務文教委員会(堀川季延委員長)でも契約締結案が否決されていた。

 

 本会議では堀川委員長が「高額所得者でありながら町営住宅に居座り、明け渡し要請に応じないだけでなく、住居を改築するなどしてきた社長の会社との契約は問題。委員会は賛成ゼロで決した」と審議結果を報告した。

 

 その後青木義勝、谷禎一両議員が「町民や他の市町村も注目している。不法に入居してきたことを本人も認めており、契約を辞退すべきなのに拒否している。町の責任も大きく、今回のことは町も議会も猛省すべき」と反対討論を行い、賛成者ゼロで否決された。

 

 否決後、山村美咲子議員が他の13議員全員を賛成者として決議を提出。町営住宅の管理条例に違反している人物が代表取締役を務める会社が町と多額の請負契約を締結するのは「住民の感情に沿わないばかりか、非常識であり、住民の利益に反する」として町に対して4項目の要求を示した。

 

 (1)町営住宅を直ちに明け渡し、無許可で建設した住宅を解体撤去、更地で町に返還させる(2)町の入札参加停止措置要領に抵触している疑いがあるにも関わらず今回の入札を許した。議会を含む全住民に経過・原因・再発防止策を明らかにし、「できうる限り厳しい」入札参加停止措置を取る(3)男性の会社が今月落札した他の2件の公共工事について、入札参加停止措置要領を厳格に運用する(4)否決となった広瀬川調整池整備工事について速やかに再入札を行う―など。

 

 閉会後、山村吉由町長は「全会一致の否決で深くおわび申し上げる。法令順守は公務員の役割であることを肝に銘じ、一日も早く処理してご報告したい」と述べた。一方、当事者の男性は「決定に従うが、更地にして1カ月で明け渡すのは厳しい。転居先の土地を確保し住宅建設を進めており、年内に退去する」と話している。

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