特集2024年春の高校野球奈良大会速報

歴史文化

帝塚山大生ら3D模型化の「令和の獅子頭」開眼式

関連ワード:

帝塚山大所蔵の獅子頭(左)と再現された令和の獅子頭を囲む学生らとオンライン参加の小学生=3日、奈良市帝塚山7の同大学東生駒キャンパス

別の写真を見る

 帝塚山大学が所蔵する約200年前の獅子頭を、3D(3次元データ)模型化した「令和の獅子頭」の開眼式が3日、奈良市帝塚山7丁目の同大学東生駒キャンパスで行われた。学生らの調査で、同大所蔵の獅子頭が制作された年代や場所などが判明。新旧二つの獅子頭は制作地の山口市に里帰りし、展示される。

 

 昨年、由来不明だった獅子頭を同大文学部日本文化学科生と人文科学研究科大学院生が調査。奈良大学の協力で獅子頭に書かれた墨書を赤外線撮影したところ、江戸後期の文化7(1810)年に「正光」という人物によって山口市徳地地区で制作されたことが判明した。さらに、その1年前に作られた「兄弟獅子」が、同地区の柚木神社に保管されていることがわかった。

 

 同地区では現在も旧暦の1月11日に火伏祈願の獅子舞を奉納。伝統の獅子舞を子どもに積極的に伝えていると知った帝塚山大生らは、子どもたちが気軽に体験できる軽量の獅子頭を作ることを決め、「獅子頭里帰りプロジェクト」を立ち上げた。

 

 大阪電気通信大学の協力を得て、最新の3Dレーザースキャナーで発砲スチロール製の獅子頭を作成し、実物の色をもとにアクリル絵の具で着色し、忠実に再現「令和の獅子頭」が完成した。実物の重さは2.8キロに対し、再現した令和の獅子頭は350グラム。

 

 開眼式では、山口市立柚野木小学校(同市徳地柚木)の児童3人がオンライン中継で見守る中、同大の蓮花一己学長が獅子頭の目に筆を入れ、学生が仕上げた。小学生による獅子舞の披露などが行われ、兄弟獅子により繋がれた縁で和やかな交流の時間となった。

 

 同大所蔵の獅子頭は、7日から開かれる同市歴史民俗資料館の展示会に出品されるため約200年ぶりに里帰りし、兄弟獅子と対面する。令和の獅子頭とともに三体並べて展示される予定。8月7日まで。

 

 同大文学部日本文学学科4年の中吉貴保さん(23)は「制作地がわかり、獅子頭を里帰りさせてあげたかった。作者の方も驚いているのでは」と話していた。

関連記事

特集記事

人気記事

  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • 特選ホームページガイド