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広陵町営住宅取り壊し自宅建築 建設会社経営の男性、20年前から収入超過

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木造平屋建ての町営住宅を取り壊して建築された男性の自宅=広陵町疋相

 奈良県広陵町で建設会社を経営する男性(73)が、入居中の町営住宅(同町疋相)を取り壊して自宅を建築していたことが、1日までに分かった。男性の所得は入居基準を大幅に上回っており、町は約20年前から明け渡しを求める通知文書を出していた。男性は奈良新聞の取材に事実を認め、「法を犯していることは承知していた。年内にも退居する」としている。

 

 町などによると、疋相地区の町営住宅はすべて木造平屋建てで、低所得者向けに1957(昭和32)年度ごろから入居が始まった。男性は約40年前に家族とともに入居、2000年1月に建設会社を起業した。

 

 その後、18年ほど前に平屋の建物を取り壊した。男性は「老朽化がひどく、町に言っても直してくれないので、少しずつ取り壊して増改築した」と説明、工事費などに約2千万円かけたという。

 

 町は町営住宅について「町の許可を得ずに増改築してはならない」と規定しており、男性は規定を承知で増改築に着手、建築確認申請などの手続きも踏んでいなかった。

 

 入居当初の家賃は月額3千円程度だったが、建設会社を起業して個人所得が増え、入居資格がなくなった。このため町は、約20年前から、所得超過による住宅明け渡しを求めてきた。

 

 町都市整備課によると、入居者の月額所得が原則15万8千円を超えると「収入超過」と認定され、町営住宅の明け渡し義務が生じる。町はこれまで、男性に「高額所得者認定通知書」を送ってきたが、強制退去などの法的手続きは取ってこなかった。

 

 男性は奈良新聞の取材に「町から文書が届けられたが、何も言われなかった。(町と)慣れ合いでこれまで住み続けきた」と話している。

 

 同課は男性宅を含む疋相地区の町営住宅の増改築などの問題について、「好ましくない状態で、長年の懸案事項」としている。今後の町などの対応が注目される。

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