2019年に奈良市教育委員会が開いた小学校教科書の展示会で市民が提出したアンケートの回答が大半を黒く塗りつぶして公開された問題で、「子どもと教科書奈良ネット21」事務局の奥野つね子さん(73)が市を相手取り、不開示の取り消しを求めた訴訟の判決が7日、奈良地裁であった。寺本佳子裁判長(若原央子裁判官代読)は「不開示部分を公開しないとしたのは違法」として市に取り消しを命じた。

　訴状などによると、奥野さんは同年9月、小学校用教科書の採択に関する文書を情報公開請求したが、市教委から同アンケートの感想欄などを不開示とする「一部開示決定」を受け、昨年1月に取り消しを求めて訴訟を起こした。