社会
物語秘めた遺物たち - 風鐸や土管など/奈文研飛鳥資料館企画展
飛鳥地域の遺跡や古墳の発掘成果を紹介する企画展「飛鳥の考古学2020」が、明日香村奥山の奈良文化財研究所飛鳥資料館で開かれている。飛鳥寺旧境内や飛鳥西方遺跡などで出土した貴重な遺物を、まとめて見られる。3月14日まで。
同館、県立橿原考古学研究所、明日香村教育委員会が主催。8遺跡の発掘成果を計103点の展示品や約40点のパネルで紹介している。
国内初の本格的寺院、飛鳥寺の旧境内でみつかった「風鐸(ふうたく)」は寺の装飾具として使用された。奈文研の科学分析で、古墳時代の青銅製品の成分の特徴と類似していることが分かり、寺の創建期(6世紀末~7世紀初め)のものとする見方が強まっている。
中大兄皇子と中臣鎌足が出会った「槻の木の広場」があった可能性がある飛鳥西方遺跡から見つかった、飛鳥時代の土管もある。東北の蝦夷や南九州の隼人らと饗宴する服属儀礼の場でもあり、村教委の調査で飛鳥時代の建物跡や石敷きなどが出土。土管は排水用に使われたとみられ、当時の技術水準を伺うことができる。
石神遺跡から出土した東北系黒色土器も展示。古代に都を訪れた蝦夷が持ち込んだ可能性があるという。同館学芸室の清野陽一研究員は「展示品一つ一つのストーリーに思いを寄せてもらえれば」と話す。
月曜休館。一般350円、大学生200円、高校生・18歳以下、70歳以上は無料。問い合わせは同館、電話0744(54)3561。
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