考古学

ソグド人王の装身具 - ウズベキスタン・サマルカンドの遺跡 藤ノ木古墳と関係?/国立民族学博・帝塚山大調査団が発見

王座前の祭壇から見つかった宝石付きの金製ハート形垂飾り=カフィル・カラ城調査団提供 拡大
神の顔を模った宝石指輪=カフィル・カラ城調査団提供 拡大

 国立民族学博物館(大阪府吹田市)と帝塚山大学(奈良市帝塚山7丁目)がつくる「カフィル・カラ城調査団」が28日、ウズベキスタン・サマルカンド市の同遺跡で、シルクロード交易を担ったソグド人の王が身に着けたとみられる8世紀初めの金製や宝飾の装身具が見つかったと発表した。

 ソグド人は黄金や宝石を好んだとされるが、実際に遺品が見つかるのは珍しいという。

 藤ノ木古墳(斑鳩町、6世紀後半)の金銅製冠と共通点もあり、シルクロードを通じた東西交流の一端を示す成果。あす2日午後1時から、奈良市帝塚山7丁目の同大奈良・東生駒キャンパスで発掘成果学術報告会を開く。

 カフィル・カラ城は中央アジア最大のシルクロード都市「アフラシアブ城」から東南約30キロの地点にある王の離宮跡。装身具は昨年9月に地元の研究機関と共同で行った調査により、王宮地区内の王座の部屋で祭壇(長さ約3メートル、高さ約1メートル)の窪みから約20点見つかった。

 ガーネットとみられる宝石付きの金製ハート形垂(たれ)飾りや獅子(しし)文を持つ金貼りの銀製ペンダント、神の顔をかたどったとみられる宝石指輪をはじめ豪華な品で、ギリシャや南アジアの文化の影響が指摘される。

 遺跡には激しい火災の痕跡があり、貨幣の年代などから710年ごろにアラブ勢力の侵攻で落城したと推定。装身具は落城の際に埋められたと考えられるという。

 中国の文献などによると、商業を得意としたソグド人は黄金や宝石などを好んだとされる。しかし、信仰したゾロアスター教(拝火教)では墓に副葬品を納める習慣がなかったために貨幣類を除くと遺品がほとんど残らず、貴重な資料となる。

 またアフガニスタン北部のテイリヤ・テペ遺跡の出土品とも類似。藤ノ木古墳の金銅冠との共通性が指摘される同遺跡出土の金冠の物と似た飾りも見つかり、同古墳の遺物の源流を探る手がかりになりそうだ。

 カフィル・カラ城調査団の代表を務めた宇野隆夫・帝塚山大学客員教授は「量は多くないが、戦時の緊急時という状況で偶然に残された貴重なもの。ギリシャの黄金文化の系統を持ち、藤ノ木古墳との関係も推定され、シルロード全体を考える手がかりになる」としている。

 発掘成果学術報告会「シルクロード黄金文化の道」は聴講無料。申し込みが必要。問い合わせは帝塚山大学広報課、電話0742(48)9192。

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