考古学

小規模宅跡地群を発見 - 1坪を32分の1分割 複数列確認は今回初/平城京跡に12区画

平城京跡の坪内を32分の1に分割した小規模宅地から見つかった井戸=奈良市西九条町4 拡大

 奈良市教育委員会埋蔵文化財調査センターは31日、同市西九条町4丁目の平城京跡から、京内の区画単位「1坪(町)」を32分の1に分割した奈良時代末から平安時代初頭(8世紀末~9世紀初)の小規模宅地跡が12区画分見つかったと発表した。過去にも同様の宅地は見つかっているが、複数が連なって確認されたのは初めて。「四行八門(しぎょうはちもん)制」と呼ばれる平安京での宅地分割方法と同じで、同制度の原型が既に平城京末期にあったとみられる。

 碁盤目状の平城京は東西方向の大路に区切られた範囲を「条」、南北方向の大路で区画された間を「坊」、さらに条坊が交わる部分を16分割した区画を「坪(町)」(約135メートル四方)と呼んだ。

 今回の調査地は「左京九条三坊五坪」に位置し、建物建設に伴い昨秋から約2700平方メートルを調査。奈良時代後半から平安時代初頭まで計3期にわたる小規模宅地跡が見つかった。

 このうち、奈良末―平安初の遺構からは多数の掘っ立て柱建物や井戸が見つかった。塀や溝などの区画施設は確認できなかったが、住居に必要な井戸の位置と数から坪内を東西方向に4分、南北を8分し32分の1に分割した宅地と推定。宅地1区画は広さ約450平方メートルで、井戸1基と小規模な建物2~3棟の構成だった。

 遺構の西側に坪の中央を区切る南北通路も検出。東側には坊間路が通っており、宅地は南北通りのみに入り口を持っていた。

 これに先立つ2時期の遺構では坪を16分の1に区画した宅地を検出。時代が下るごとに宅地が細分化されることが分かった。

 平城京の宅地は位階に応じて与えられ、下級官人ら庶民の邸宅は坪の16分の1区画が基本だったとされる。文献史料にはそれより小規模な宅地が記され、過去の発掘調査でも坪の32分の1区画の宅地が見つかっているが、大規模に確認されたのは初めて。

 平安時代の四行八門制では宅地の基本単位を「戸主(へぬし)」といい、1町(約120メートル四方)を東西4行、南北8門の32区画に分割した。

 奈良市教委埋蔵文化財調査センターの中島和彦係長は「平城京の宅地分割の変遷が分かる遺構が、一つの現場から見つかるのは貴重な成果。平安京の四行八門制の考え方が平城京の段階にあったことがうかがえる」としている。

 現地説明会は3日午前10時から午後3時まで。午前10時と午後1時半に担当者による説明を行う。小雨決行。駐車場はない。

 問い合わせは、奈良市教育委員会埋蔵文化財調査センター、電話0742(33)1821。

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