考古学

幻の古寺「福寺」の瓦か - 奈良時代説、有力に

福寺池から出土したと伝わる奈良時代の軒丸瓦=奈良市中院町の元興寺法蔵院 拡大

 奈良市南京終町にあった寺院「福寺」で使われたとみられる奈良時代後半の軒丸瓦3点が、市内の民家から元興寺文化財研究所の調査で見つかった。同時代の高僧・行基ゆかりの寺と伝わるが、直接的な資料がなく創建時期は謎だった。今回の発見で、伝承どおり同時代創建の古代寺院だった可能性が高まった。瓦は、きょう29日から、奈良市中院町の元興寺境内法輪館で展示される。

 室町時代の記録によると、福寺は奈良の南境、交通の要衝に立つ寺として栄えたが、戦国時代に土一揆で焼亡。現在も本尊とされる仏像が近くの寺で伝わるほか、昭和45年に埋められた「福寺池」で瓦や石仏が多数見つかっている。

 寺の由来について、江戸時代の古文書「奈良坊目拙解」は「行基が母の菩提を弔うために創建した」と記述。しかし、創建当初の文献史料や考古資料がなく、「幻の古代寺院」とされてきた。

 今回の軒丸瓦3点はは元興寺文化財研究所の南肘塚町移転に伴い、地元の文化財再調査で発見。いずれも直径約18センチで、時期は不明だが福寺池での収集品と伝わり、池の所有者の民家に保管されていた。「複弁蓮華文」と呼ばれる文様で、奈良時代後半に作られたとみられる。

 これまで、平城京内の2カ所で同じ型で作られた瓦が出土しているが、いずれも単体だったため、どこで使われたか不明だった。福寺伝承地でまとまって見つかったことから、同寺で使われた可能性が高く、創建時期は奈良時代までさかのぼることが分かった。

 瓦は春季企画展「ならまちの南玄関~肘塚・京終の歴史文化」で展示。5月15日まで。午前9時から午後5時開館。入館料は大人500円、中学生300円、小学生100円(いずれも拝観料を含む)。

 問い合わせは元興寺文化財研究所、電話0742(23)1376(平日午前9時~午後5時)。

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