社会

800年風雨に耐えて本殿守護 - 春日大社の獅子・狛犬6体

腰を上げたユニークで愛らしい造形を持つ第4殿の獅子。室町時代から近世の作とみられる=23日、奈良市春日野町の春日大社
 4対8体のうち6体が鎌倉時代の製作と判明、23日に発表された春日大社(奈良市春日野町)の獅子・狛犬。約800年の長きにわたり風雨に耐え、4殿ある本殿(国宝)を守ってきた。残る2体はほかに類例がないユニークな形状を持ち、室町時代から近世の作とみられる。

 同大社の本殿は、昨年から20年に1度の式年造替に伴って修理を実施。各殿の前に安置されていた木像の獅子・狛犬も新調されることになり、役目を終えた8体が昨年3月下旬に本殿から下げられ、奈良国立博物館の岩田茂樹上席研究員が調査がした。

 第1殿の獅子(像高41・3センチ)と狛犬(同40・8センチ)は、動きが小さい造形▽落ちくぼんだ眼窩(がんか)に丸い眼球▽丸い胸や胴―などの特徴から、制作時期は鎌倉時代初期と考えられる。

 第2殿の獅子(同39・4センチ)と狛犬(同39・1センチ)も、造形などから鎌倉時代前期の作と推定。第3殿の獅子(同39・9センチ)と第4殿の狛犬(同38・4センチ)は第2殿よりもやや新しい時期とみられる。

 一方、第3殿の狛犬(同37・9センチ)と第4殿の獅子(同30・7センチ)は、両腰を持ち上げる珍しい造形。中世以前の獅子・狛犬は蹲踞(そんきょ)の姿勢が伝統的で、近世的な表現といえるという。

 春日大社の獅子・狛犬は文献などから平安時代末には神前に安置されていたと推定。鎌倉時代後期に春日大社の様子を描いた「春日権現験記」にも描かれている。今回調査された金箔(ぱく)押しや彩色が施され、何度も修復が行われてきた。

 岩田上席研究員は「鎌倉時代の獅子狛犬が6体も確認されたのは驚き。最も古い第1殿の一対は雅さを持つことから京都の仏師の作と考えられ、春日社と宮中との深いつながりがうかがえる」としている。

 獅子・狛犬の公開は6月1~30日、同大社景雲殿で。午前9時から午後4時半。拝観料300円。

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