考古学

炭化コムギ種子発見 - 甘樫丘東麓遺跡

甘樫丘東麓遺跡で見つかったコムギ(上段)とイネの種子=奈良文化財研究所提供 拡大

 飛鳥時代の権力者だった蘇我蝦夷(えみし)、入鹿(いるか)父子の邸宅跡とされる明日香村川原の甘樫丘東麓遺跡で、7世紀前半の炭化したコムギの種子が、奈良文化財研究所の調査で見つかった。保管されていた多量のコムギが何らかの理由で燃えたと推定。コムギの収穫時期は初夏で、入鹿が暗殺された「乙巳(いっし)の変」が645年6月にあったことから関連性が注目される。また、ソバの花粉も見つかり、甘樫丘周辺で栽培されていた可能性が強いという。

 「奈良文化財研究所紀要2013」で、同研究所の庄田慎矢研究員らが発表した。

 平成23~24年の調査で採取した遺跡の土を精査。ドングリやモモ、イネなどともにコムギの種子が見つかった。

 コムギは90リットルの土から約100粒発見。他の種子と比べてきわめて多く、庄田研究員は「これからが燃えた出来事の季節性を示す可能性がある」としている。

 同遺跡では平成6年に7世紀中頃の焼けた土や材木が出土。乙巳の変後に自宅で自害した蝦夷との関連性が注目されている。

 一方、ソバは同時期に畿内で栽培が定着したとみられ、明日香村の他遺跡でも花粉が見つかっている。虫に運ばせるために花粉を広範囲に散布せず、栽培地はごく近くにあったと考えられるという。

 ソバのほかにもイネやベニバナなどの栽培植物の花粉を検出。丘陵地にソバやベニバナが栽培され、平野部には水田が広がる当時の景観が想像できる。

 庄田研究員は「甘樫丘周辺の土地利用がわかる貴重な成果」としている。

▼ 記事の詳細は本紙をご覧ください

購読のお申し込み

ウェブ限定記事

よく読まれている記事

  • 興福寺中金堂再建記念 現代「阿修羅」展 図録
  • 奈良遺産70 奈良新聞創刊70周年プロジェクト
  • Tour guide tabloid COOL NARA
  • 奈良の逸品 47CLUBに参加している奈良の商店や商品をご紹介

奈良新聞読者プレゼント

書籍「倭国古伝」

プレゼント写真
提供元:古田史学の会
当選者数:3人
  • 奈良マラソン
  • 出版情報 出版物のご購入はこちらから
  • バナー広告のご案内
  • 奈良新聞シニアクラブ
  • 奈良新聞デジタル
  • ならリビング.com
  • 特選ホームページガイド
  • 奈良新聞社 採用情報
  • ならどっとFM78.4MHzのご紹介