社会

幻の甘味料・甘葛煎を復元 - 正倉院文書にも登場/奈良女子大

ツタに空気を送り込んで汁を採取する参加者=13日、奈良市北魚屋西町の奈良女子大学 拡大

 正倉院文書にも登場する古代の甘味料「甘葛煎(あまずらせん)」の復元が13日、奈良市の奈良女子大学で行われた。大学院の文化史総合演習の一環で、貴族が味わった上品な甘さがよみがえった。

 甘葛煎はツタの汁を煮詰めた甘味料で、「枕草子」にも「あてなるもの」として登場する。室町時代ごろまで記録があるが、砂糖の流通で姿を消し、原料も分からない幻の甘味料となっていた。

 昭和63年に福岡県北九州市で漢方薬会社を経営する石橋顕さん(66)が復元に成功。冬に糖分を蓄えたツタの汁を煮詰めると、高糖度の甘味料ができる。

 この日は、石橋さんの指導で大学院生が復元に挑戦。学内のツタを集めた後、長さ30センチほどに切り分け、切り口から空気を送り込んで流れ出る汁を集めた。

 出来上がった甘葛煎はハチミツ並みの甘さで、参加者から驚きの声が上がった。

 大量のツタからわずかしか取れない貴重品で、平城京や平安京では、ヤマイモを甘く煮詰めて貴族の宴会に出されるなどしたという。

 博士前期課程1年の竹端絢子さん(22)は「甘みを獲得する大変さを実感しました。現在の道具でもこれだけ手間がかかるのに、古代の人はもっと大変だったでしょう」と話していた。

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