国原譜
あの日、一報を受けて空を見上げると西大…
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あの日、一報を受けて空を見上げると西大寺付近の上空に報道用とみられるヘリコプターが旋回していた。あの衝撃から1年が経った。
参院選最終盤に、自民党の現職・佐藤啓候補の応援に来県した安倍晋三元首相が、演説開始直後に凶弾に倒れた。県立医大病院へ緊急搬送したが帰らぬ人となった。
現役の首相や首相経験者の暗殺は、歴史の教科書で知っていたが、実際に起きてみると、怒りしかない。しかも奈良の地で起きた事件だ。
明治の伊藤博文や大久保利通、大正時代の原敬などの事件では、それぞれ政治的な意味合いがあったが、安倍氏の場合は統一教会という、宗教的な背景とされている。
まだ裁判も始まっておらず、全容解明が待たれる。そして要人警護という、警備上の問題が浮き彫りになり、その後も和歌山での岸田首相襲撃事件も起きている。
民主主義の根幹をなす選挙の真っただ中で、このようなことが二度とあってはならない。現場にいた佐藤参院議員の心中はいかばかりかと思うが、「仕事で恩に報いる」との言葉にその通りだと思う。合掌したい。(治)