安倍晋三元首相の国葬が27日、執り行わ…
安倍晋三元首相の国葬が27日、執り行われた。安倍氏の最後の地となってしまった本県も、県庁など約40施設に半旗を掲げて弔意を表した。一方で、県内市町村での半旗掲揚は奈良市など19自治体にとどまった。
掲揚を見送った理由に「国からの要請がなかったから」を挙げる自治体もあった。国を挙げて弔意を表す国葬ならば、全国の公的施設で半旗を掲げるべきでは。
国が地方自治体への要請を見送った背景には、世論の反発がある。共同通信の世論調査では「国葬反対」が6割を占めた。
反発の理由の一つは、国葬の不明確な法的根拠だ。国葬に関する法律はなく、政府は閣議決定などを法的根拠とするが、戦後わずか1例しかない国の重要儀式を決めるには国会の審議が必要ではないか。
さらに安倍氏と深い関係があるとされた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題も影響する。が、岸田文雄首相は安倍氏に対する調査を拒んだままだ。
国論の分断を生んでまでして強行した国葬に意味があったのか。静かな気持ちで故人を弔いたいが、後味の悪さだけが残った。(法)