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近鉄八木西口駅で電車を降りて南に向かう…

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 近鉄八木西口駅で電車を降りて南に向かうと、飛鳥川に沿って美しい公園が現れる。かつてこの場所には水路を占有するなどした家屋が立ち並んでいた。

 

 駅前に闇市があり、やがて水路に鉄板を渡すなどして店が並ぶようになったという。江戸時代の町並みが残る今井町の一角で、橿原市は2003年ごろから住民と立ち退き交渉を進め、公園化にこぎ着けた。

 

 新駅設置構想で存廃が議論されてきた八木西口駅は、併存に難色を示す近鉄が「新駅設置は八木西口駅の廃止を条件としない」と態度を軟化せ、2駅併存の可能性が出てきた。

 

 駅に歴史があるように、周辺の街にも駅と密接に結びついた歴史がある。八木西口駅の闇市もその一つ。近年は今井町観光の玄関口としても利用されてきた。

 

 駅の存廃は周辺の歴史も加味して考える必要があり、駅がなくなれば、共に歩んできた駅前が刻む時の流れは大きく変わる。

 

 2駅併存を視野に入れた近鉄と行政側の交渉は端緒についたばかりだが、800メートルほど離れた新駅と刻む歴史が、八木西口駅周辺の新たな魅力になればよい。(増)

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