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「貴賓室を憩いの場に」。平成17年1月…

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 「貴賓室を憩いの場に」。平成17年1月の紙面にそんな記事が掲載されている。橿原市が設置したJR畝傍駅舎の活性化懇話会が、まとまったプランを市長に提言したとの内容だ。

 

 昭和天皇の休憩所として昭和15年に設けられた貴賓室は、喫茶室など来訪者の憩いの場とすることが盛り込まれた。JR西日本は市に駅舎を無償貸与、18年度にも整備が始まる予定だった。

 

 それから16年。駅舎は今もそのままで、市は7日、駅舎の民間活用断念を明らかにした。JR西は老朽化した駅舎の建て替えを検討している。

 

 貴賓室が設けられた昭和15年は「紀元2600年」に当たり、昭和天皇が神武天皇陵に参拝したほか、盛大な奉祝行事が橿原市で営まれた。

 

 橿原神宮の正月三が日の参拝者は前年の20倍に達したといい、貴賓室は当時の国民的盛り上がりを語る歴史遺産でもある。

 

 畝傍駅の近くには江戸時代の旅籠(はたご)を改修した交流館や校舎が国の文化財に登録された畝傍高校もある。西に歩けば江戸時代の町並みが残る今井町。面的な価値も見据えて駅舎の保存を考えてほしい。(増)

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