第49回衆院選が19日、公示された。衆院解散から投開票まで、わずか17日間という戦後最短の短期決戦となる。21日の衆院議員任期満了を越えての衆院選は現憲法下では初めてだ。

　異例づくしの選挙だが、異例がもう一つ。昨年から続く新型コロナウイルスのパンデミック中での初めての総選挙となる。

　19日の県内における新規感染者は4人で、流行は全国的に収束傾向にある。しかし、専門家の間では「第6波」を危惧する声が強い。

　県内でも人が密になる個人演説会や支援者との握手を控えるなどの対策を行う陣営が多いようだ。これまでは有権者と直接、顔を合わせて支持を訴えることが基本だっただけに難しい選挙となる。

　一方で、SNSや動画サイトなどを使った新しい手法で活路を探る陣営も多い。選挙に無関心とされる若者と親和性が高い手法でもあり、コロナ禍が「けがの功名」になるかもしれない。

　生物の進化は厳しい環境に合わせることで促されるという。コロナ禍という厳しい環境の中で行われる選挙により、わが国の民主主義が成熟していくことを期待したい。(法)