半世紀前、某レトルトカレーのテレビCFのセリフ「3分間待つのだぞ」が流行語になった。3分なら我慢できるが、いったいどれだけ待てばいいのか。海外旅行のことだ。

　仲間を誘って、または一人で海外格安ツアーを楽しむのが生きがいだった。旅行代理店各社の競争が激しく、近くなら国内旅行並みの費用で済んだ。

　ところが、昨年来の新型コロナウイルス感染拡大で海外観光旅行は、ほとんど壊滅状態。変な中毒になったわけではないのに、ちょっとした禁断症状が出てきている。

　豪華な海外旅行を楽しんでいた富裕層も同様らしく、旅行できないうっぷんを晴らす意味もあって、高級外車や貴金属類は空前の売れ行きだ。

　といっても、旅行はレジャーのわれわれはまだいい。インバウンド需要のなくなった旅行・観光業の人々にとって、コロナ禍は死活問題になっている。

　東京五輪は厳しい状況の中、各国選手の交流があった。人が生きていく上で触れ合いは欠かせない。きょう8月10日は「宿の日」。コロナ禍が収まり、来年のこの日には宿泊施設ににぎわいが戻ってほしい。　(栄)