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国原譜

松明(たいまつ)が舞台を駆け抜け、火の…

 松明(たいまつ)が舞台を駆け抜け、火の粉をまき散らした。今年で1270回目となる東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)が本行入りした。

 感染対策で拝観者を制限したが、火の粉が舞うたびにどよめいた。おそらく練行衆も駆け付けた人たちも、いつもの年と違った思いではないか。

 天下奉安、万民豊楽、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願する行事だが、その祈りも行ずる人、そして拝観者の気持ちが一体になっている。今や世界の人々の願いでもある。

 天平勝宝4(752)年から南都焼き打ちや、失火による二月堂の焼失などもあったが、一度も途切れることなく続けられてきた。奈良の奥深さを象徴するものだ。

 コロナ禍の中で、祈り続けてきた練行衆が、最後まで無事に勤め上げてもらいたい。近畿3府県で緊急事態宣言が解除されたことで、何となく気分も開放的になった。

 首都圏だけで感染者の発症が全国の6割以上を占めるとのニュースに、まだまだ油断できない。第4波が来る、という声も聞こえ始めている。お互いに注意を怠らずに、本物の春を待ちたい。(治)

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