日本を含め各国で放送されている英国の人気自動車番組「トップ・ギア」を見ていると驚きの連続である。日本のNHKに相当する公共放送BBC制作であるとは信じがたい。

　随分前のシリーズだが、司会者が、「買う価値がない」などと毒舌で各メーカーの車を一刀両断。日本製の某人気車は嫌われた末、機関銃で穴だらけに。

　英国人はユーモア好きといわれるが、日本人の感覚でいえば毒を含み過ぎている場合が多い。コメディー番組「ミスター・ビーン」で、ビーンがエリザべス女王(そっくりさん)に頭突きをかましたのを見た。

　先日、菅首相がネット上で「ガースーです」と発言。「新型コロナ感染拡大時に」と多数のひんしゅくを買った。本人としてはユーモアのつもりだったのだろう。

　ユーモアは時と人を選ぶ。そういえば、麻生財務相もユーモアを意図したと思われる毒舌が上すべりして、たびたび舌禍騒動を巻き起こしている。

　ユーモアにたけた指導者といえば英国のチャーチル、日本なら吉田茂か。しゃれたユーモアは2人のような実績を挙げてからにしてほしい。(栄)