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国原譜

わが国は過去何度も感染症の脅威に直面し…

 わが国は過去何度も感染症の脅威に直面してきた。本紙歴史万華鏡面の連載「遺跡からの警告疫病編」は「疫病」や「はやり病」の歴史を振り返っている。

 本日付では奈良時代の平城京を襲った「疫瘡(えきそう=天然痘)」を紹介。当時、栄華を誇った藤原四兄弟をはじめ多くの貴族や官人たちも病に倒れ、行政機能がまひした。

 連載記事によると、この頃、食器類が急に小型化し、新品を捨てたような土器もあるという。奈良文化財研究所の神野恵さんは大皿料理から個食スタイルに変え、感染者が使ったものを再利用せず捨てたのではないかと推測する。

 当時、疫病は「疫鬼」によるものとされていた。そのため、疫鬼の侵入を防ぐ国家祭祀(さいし)の跡も各地の遺跡で検出されている。

 一方で、人々は科学的な感染拡大の原因にも気付いていたのかもしれない。そして感染予防のため「新しい生活様式」を生み出した。

 現代を生きる私たちも、新型コロナウイルスという感染症の脅威に直面する。危機に際し、柔軟に暮らし方を変えた天平の人を見習わないといけない。(法)

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