夏の甲子園大会が中止となり、地区大会の代替として開催が決まった県高校夏季野球大会は、6日に組み合わせ抽選が行われる。新型コロナウイルスの影響で一度は消えた夏の舞台。存分に力を発揮してほしい。

　当初は1チーム1試合だった代替大会は、県高校野球連盟がトーナメント戦に方針転換、複数試合の道が開かれた。3年生は全員登録が可能で、試合ごとにメンバーが変更できる。

　高校に限らず、学校や大学の部活動は卒業に向かって一人一人の時間が流れていく。節目を超えると同じ顔触れで試合や演奏に臨むことはまずない。

　運動系にせよ、文科系にせよ、ひたむきな活動がどこか切ないのは、入学と同時にその時計が回り始めるからだろう。もし地区大会中止で終わったなら、時計はクライマックスの時を刻めない。

　高校野球に限らず、インターハイが中止となった他の競技でも、3年生中心の代替大会が検討されている。

　新型コロナで声援は難しそうだが、試合に臨む3年生も先輩のバトンを受け継ぐ1、2年生も、二度とない時をしっかり心に刻んでほしい。(増)