沿道の人々に手を振って笑顔でこたえられた。天皇陛下の即位を祝うパレードに約12万人もの観覧者が駆けつけ、両陛下を見守った。

　前日の皇居前広場で行われた国民祭典でも、約3万人の人が、寒い中で歴史的な行事に参加できた喜びをみせていた。ほとんどの人はテレビを見ながら共に祝ったのではないか。

　アイドルグループ「嵐」が奉祝曲を熱唱すると、雅子さまが感極まったのか、右手でそっと頬をぬぐう場面が映し出され、こちらも感動した。

　雅子さまはパレードでも、涙をぬぐうしぐさが見られた。その姿は感情を素直に示されるという、国民との距離が一挙に縮まったように感じた。

　まだ即位してから日も浅いが、「令和流皇室」の一端が垣間見えたのではないか。上皇さま夫妻の足跡を見てきただけに、即位の重みをお二人が感じているに違いない。

　このあと宮中祭祀(さいし)として大嘗(だいじょう)祭が執り行われ、そして26日には畝傍御陵参拝のために来県される。皇室ゆかりの地で、少しでもゆっくりされてほしい。県民挙げて心から歓迎したい。(治)