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国原譜

桜井市の聖林寺が、国宝の十一面観音立像…

 桜井市の聖林寺が、国宝の十一面観音立像を安置する収蔵庫を改修する。鉄筋コンクリート造りの収蔵庫は昭和34年に完成、拝観者と観音像を区切る大きなガラスは、光の映り込みが強かった印象がある。

 今回の改修では正面からしか拝めなかった観音像を四方から拝観できるようにし、ガラスの質も格段に良くなる。

 ガラスの映り込みが軽減されると、そこにガラスがあることさえ忘れてしまいそうになる。奈良国立博物館が展示ケースを一新したとき、あまりの透明感に驚いたことがある。

 想像だが、聖林寺の新収蔵庫は観音像が隔てる物なく立っているように見えるのではないか。拝観者は心を研ぎ澄まして観音像と向き合うことができるだろう。

 秘仏とされていた観音像が、禁を解いた米国の美術研究家、フェノロサを驚嘆させたことはよく知られている。新しい収蔵庫ではその追体験ができるかもしれない。

 改修工事は来年6月に始まる予定で、多額の費用がかかるという。同寺は1口1万円から寄進も受け付けている。工事中の出開帳も、多くの人を魅了することだろう。(増)

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