東京五輪・パラリンピック開幕まで1年を切った。多様な関わり方があるが、ホストタウン(HT)もその一つだ。

　各地の住民らが大会参加国の選手、関係者と交流。競技や互いの国、地域の歴史、文化への理解を深め、スポーツ立国と共生社会の推進、地域活性化につなげる大会推進本部促進の事業だ。

　事務局によれば、昨日までのHT登録は全国で約350件415自治体。県内では一部県と協力して奈良、橿原、天理、大和郡山の4市が登録し、田原本町も中米グアテマラとの登録を予定する。

　多方面から情報が得られる時代。だが、実際に当該の人物に会って触れ合い、対話する以上に何かを手にし、発信する方法をまだ知らない。

　選手の身体能力や競技への熱情、生きざまを知ることは、特に子供たちや若い競技者の大きな刺激になるはず。魅力に満ちた異国の話からは世界へのまなざしを広げ、平和と友好の大切さを学ぶことにもなろう。

　受け入れ先未決定国は中南米、アフリカ地域を中心にまだ3割ほどある。より多くの出会いがあるよう、県内自治体の動きに期待したい。(智)