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高齢ドライバーが関係する深刻な交通事故…

 高齢ドライバーが関係する深刻な交通事故が連日報道されている。運転免許返納、免許制度改正といった対策の声も次第に大きくなっている。

 高齢者が命、けがにかかわる問題は交通だけではない。先頃、奈良労働局が発表した平成30年の県内労働災害状況では、死傷者数は前年比約11%増の1387人。うち50歳以上が半数以上を占める。

 現政権は少子化などでの人手不足解消を高齢者にも求め、定年や定年後の雇用延長の施策を打ち出している。だが判断力、体力などの低下の影響は車の運転に限るものではない。

 定年までのキャリアを生かすとしても、誰もが完全に安全が保証された場所で働けるわけでもない。時には危険と隣り合わせの業務を担うこともあろう。

 高齢者の労働力に頼るなら、仕事の安全性の担保は当然考慮しておくべきこと。現場レベルだけで完結することでもない。

 人生100年時代の響きはいいが、高齢社会の深化とともに年金と生活資金、孤立死、認知症など高齢者周辺の環境は厳しさを増す。転ばぬ先の対応策は人任せでなく常に意識していたい。(智)

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