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国原譜

西郷隆盛を生んだ薩摩のスパルタ教育は、…

 西郷隆盛を生んだ薩摩のスパルタ教育は、子どもに我慢せよと教えるとき、「雪駄(せった)の革をかじれ」と言ったという。

 雪駄は草履の裏に革を張った履き物で、教えの由来は関ケ原合戦にさかのぼる。西軍だった島津義弘が薩摩へ敗走中、「腹が減ったら雪駄の革をかじれ」と励まし合って飢えをしのいだと、歴史家の磯田道史さんが書いていた。

 競争事が多かった薩摩には、少年のマラソン大会のような行事も毎月あり、1番で帰るとその日の名誉とされたという(「素顔の西郷隆盛」)。

 2時間10分台の大会新記録が出た今年の奈良マラソンで、ゴール後に振り返って礼をする選手が多いことに気付いた。毎年の光景なのだろうが、これまで目に入らなかった。

 アップダウンのある42・195キロ。シューズのひもをかむような思いでゴールを目指した選手もいるだろう。倒れ込みたい疲労の中、立ち止まって一礼する。コースやスタッフへの感謝がその姿に表れていた。

 平成最後の12月も、あと10日で終わりを告げる。平成の世を振り返り、一礼して新たな年を迎えたい。(増)

 

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