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国原譜

数年前、女子プロレスラーが「カルロス・…

 数年前、女子プロレスラーが「カルロス・ゴーン」と名付けられた技を使うのをテレビで見た。何のことはないゴーンと頭と頭をぶつける単なる頭突きである。

 日産のトップであったゴーン容疑者の名は、日本中に轟(とどろ)いていた。ゴーン容疑者の逮捕で、頭突きされたような衝撃を受けた人は数多かっただろう。

 倒産寸前の自動車会社を救ったカリスマ経営者。それが一夜にして、巨額な役員報酬を虚偽記載したり、会社の金を私的に流用していた「強欲な独裁者」と疑われるのだから驚きだ。

 一人の人間に長い間、権力を集中するとしばしば「裸の王様」になってしまうのは歴史が証明している。ただ、今回の事件には不明朗な点が多過ぎる。

 ゴーン容疑者の指示で動いた部下は少なくないはずだ。犯罪の捜査に協力する見返りに自分の起訴を見送ってもらったりする司法取引がとりざたされている。ハリウッド映画のような展開になってきた。

 昭和世代の人間としては、これを機に、かつて日本グランプリレースでポルシェと死闘を繰り広げた「技術の日産」の再生を願うばかりだ。(栄)

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