金曜時評

正直、公正であれ - 主筆 甘利 治夫

 盛り上がりに欠けたが、自民党の総裁選で安倍晋三首相が石破茂元幹事長を破り、連続3選を果たした。これにより安倍氏の首相在職日数は、歴代最長となりそうだ。

 政権党のトップが、首相になるのはその通りにしても、国民全体がそれほど支持しているのかどうかは別問題だ。自民党の党内事情と総裁選の仕組みが、安倍氏を押し上げている。世論調査でも分かるように、国民の圧倒的支持とは別物ではないか。

 総裁選は党所属の国会議員票と党員・党友による地方票で実施される。代議員制度であるから、多数党から首相が選ばれる。自民党の総裁を選ぶことは一国のトップを選ぶものだ。党員以外は投票資格もないのに、地方で街頭演説などを行い、あたかも国民全体が参加しているような形を作ったが、それほど関心は高くなかった。

 奈良はどうだったか。

 衆参両院の国会議員6人全員が安倍氏に投票した。党県連によると投票権を持つ党員・党友は7768人で、投票率は64・62%の5020票だけだ。このうち安倍氏3332票、石破氏1674票で、安倍氏の支持は66・37%の結果だった。奈良県には100万人以上の有権者がいるが、県民のわずか3000人強の支持で、国のトップが選ばれたことに、文句を言いたい人もいるだろうが、総選挙という政権選択選挙で意思を示すしかない。

 とりあえず総裁選を乗り切ったとはいえ、安倍首相を取り巻く内外の情勢は厳しいものがある。景気や雇用、人口減少問題、外交など山積しており、特に憲法改正には意欲をみせている。平成から新しい時代へと変わるが、国の行く手を担うその責任の大きさは本人が一番よく知っているだろう。

 それだけに、政権党の自民党を、身近な党県連(奥野信亮会長)のなでしっかり見ていきたい。国会議員全員が安倍氏を支持したことで一枚岩のように見えるが、分裂状態の県連組織はいつまでたっても解消されない。県議会で会派が3分裂していることで、支部組織も機能していない。黒い交際が指摘されている天理支部のように総会も開かれないし、会計報告もされないというお粗末さだ。これを放置したままで、政権党であることはおかしくないか。

 石破氏が「正直、公正」のキャッチフレーズを使ったのは、それができていないからではないか。来年の統一地方選、そして参院選に向けて、「正直、公正」さをみせてもらいたい。

 

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