金曜時評

議員はプライドを - 編集委員 山下 栄二

 全国的に大きな問題となっている地方議員の政務活動費不正受給が、県議会でも明らかになってきた。県市民オンブズマン連絡会議から領収書の偽造など詐欺罪で刑事告発されている上田悟県議は、偽造を認め辞職願を提出。ほかの議員にも疑惑が報じられる事態となっている。県民の間に一層の政治家不信が広がっている。

 上田県議の場合は、収支報告書に添付されていた領収書が、手書きを発行しない店の手書きのものであったり、コピー機がない公民館のコピー代領収書であるなど偽造されていた。当初、本人は、「事務担当者の不手際」としていたが、本紙記事などの追及が進み「自分で書いた」と前言を撤回した。だまし取る認識がなかったとしているが、今後は告発を受理した奈良地検の対応が注目される。

 政務活動費が世間の大きな関心を集めるようになったのは、「号泣」記者会見した野々村竜太郎・元兵庫県議の詐欺事件がきっかけだろう。平成26年に発覚し、約910万円の詐欺罪などで懲役3年、執行猶予4年の有罪が7月に確定した。その後も市民オンブズマンの告発や新聞報道などで、各地方議会での不正受給が次々に分かり、富山市議会では議員らが相次いで辞職に追い込まれ補欠選挙が行われる。

 このように明るみに出た不正受給は「氷山の一角」との見方が強い。政活費はもちろん税金から支出される。政活費が政策、調査、研究など本来の活動に使われているか、厳しくチェックする必要がある。

 先月、県市民オンブズマン連絡会議が県議会に、橿原市民オンブズマンが橿原市議会に、それぞれ政活費の領収書などをインターネット上で公開することを求めた要望書を提出した。インターネット上の公開は高知県や大阪府など全国に広がりつつあり、県内では天理市がネット公開している。閲覧するために議会事務局に出向かなければならないのに比べ、ネット公開は簡便であり普及を促進すべきだ。

 政活費を議員報酬と同じように自分のポケットに入れてしまう。このような「あさましさ」の要因の一つは「議員活動に金がかかり過ぎるから」という指摘がある。議員は冠婚葬祭、飲食など幅広い交際が求められる。政活費の不正受給をなくすには、まずは議員本人に自負、誇りを持ってもらうのが一番だが、選挙民も「つきあい、口きき」で議員を選ばず、清廉潔白で能力のある人を選ぶことが必要だ。

 

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