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国原譜

あの日のことを今でも覚えている。昭和5…

 あの日のことを今でも覚えている。昭和54年10月の衆院総選挙で、共産党の辻第一さんが初当選した。党として30年ぶりの議席奪還でもあった。

 奈良市芝辻町の選挙事務所は、駆けつけた党員、支持者らの喜びが爆発した。辻さんは目を真っ赤にさせ、もみくちゃになりながら、何度も頭を下げていた。

 保守王国に共産党代議士が誕生した。以来、5期連続当選し、小選挙区選挙では比例復活を果たし、通算6期17年余にわたって衆院議員として活躍した。

 奈良県の一つの時代を築いてきた辻さんが亡くなった。86歳だった。きのう告別式がしめやかに執り行われた。選挙期間中、密着取材し、初当選の原稿を書いただけに、感慨深いものがある。

 医師として患者と接触しながら、政治の貧困さを感じてて、共産党に入党。「生命と暮らしを守る」と訴え続けた。前回は6万票で、このときは9万余票を獲得して3位当選。

 やわらかい口調の庶民的な医師で、親しみやすい笑顔は忘れない。昨年の党90周年の会合で、元気な姿にお目にかかった。やすらかにお眠りください。合掌。(治)

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