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はがきの名文コンクール 福島さんに日本郵便大賞 亡き母への思いつづる

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受賞の喜びを語る福島千佳さん=御所市のアザレアホール(福島さん提供)

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 奈良県桜井市のJR・近鉄桜井駅前で文化講座「ことばの森」(文章教室)を主宰する福島千佳さん(55)がこのほど、「第9回はがきの名文コンクール」(日本郵便主催)で、日本郵便大賞を受賞した。同賞受賞者15人のうち県内は福島さんのみ。他に大賞(1人)、選考委員賞(3人)、郵便名柄館賞(10人)があり、7~91歳まで計29人が受賞した。

 

 御所市にある郵便局舎の再生を記念して始まった同コンクールは、毎年4万枚近い応募がある。局舎としての役目を終えていた建物を2015年に同市のプロジェクトで「郵便名柄館」として再生し、コンクールはその年に始まった。近くにある一言主神社(葛城坐=かつらぎにいます=一言主神社)が、一言の願いであればかなえてくれるという言い伝えにちなみ、願い事が書かれたはがきを毎年募集している(宛先は郵便名柄館)。今回の審査員は、作家の五木寛之さんと村山千佳さん、教育学者の齋藤孝さんが務めた。

 

 表彰式は昨年11月に同市のアザレアホールで開かれ、受賞者一同は同神社にも参拝した。

 

 2度目の応募で同賞を受賞した福島さんは「少し前に母を亡くし、妹とカラオケに行って、母が好きだった『秋桜(コスモス)』を歌ったことを書いた。審査員の五木さんが『あなたの作品を推した』と話しかけてくれて、とても感激した。記念に残る思い出を文字にできてうれしい」と話した。

 

 同コンクールのホームページで、受賞作のはがきの文面も見ることができる。アドレスはhttps://www.hagaki-meibun.or.jp

 

 

福島さんの受賞作品

 

5月に母を亡くして2カ月。

ようやく気持ちの整理がつき、残された妹とカラオケに行った。

 

母の大好きだった、山口百恵「秋桜」を選び、椅子の上に立ち、「お母さんに捧(ささ)げます~!!」なんて、調子に乗って歌い出した。ワンフレーズ目で泣き出す妹。

 

わたしも母を思い出し、歌どころではなくなった。

 

「秋桜」のメロディが流れるカラオケボックスで、いい年をした娘2人、母を想(おも)ってギャンギャン泣いた。

 

号泣しながら歌った「秋桜」、お母さんに届いていますように。

 

※読みがなは編集部。

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