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【新春随想】奈良県弁護士会長 山口 宣恭 身近な家裁の課題発信

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 私は毎朝15分のドラマを時計代わりにしていますが、今年4月からのヒロインは、日本初の女性弁護士の一人、三淵嘉子(みぶちよしこ)さんがモデルです。ながら見はできそうにありません。

 

 三淵さんは、終戦後裁判官に転身し、個性的な仲間とともに家庭裁判所の創設に尽力します。終戦直後、我が国では、戦没者の遺族、引揚者や戦災孤児など、戦争により弱い立場に置かれた人々が多くの法律問題に直面していました。三淵さんら家庭裁判所の職員は、これらの問題に正面から取り組み、時に裁判所の枠を超えたユニークな活動を展開しました。家庭裁判所の活動が地域社会の安定に大きく貢献したことは、その業績を取材した「家庭裁判所物語」(清永聡著・日本評論社刊)が明らかにしています。

 

 現在も、離婚と親子のあり方、児童虐待、成年後見などの分野で、弱い立場に置かれた人々が多くの法律問題に直面しています。これらの分野では近々法律の改正が予定されています。しかし、どのように法律が改正されるとしても、市民に最も身近な司法インフラである家庭裁判所がより良く活動できる環境にならなければ、問題を解決することは難しいと思います。家庭裁判所の裁判官や調査官の増員、庁舎のバリアフリー、裁判や調停にかかる費用を援助する制度の充実も重要です。これらの課題について、弁護士会としても発信を続けていきたいと考えています。

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