地域の活力 わが町のイチオシ企業(最終回)
事業者支援や地域発展のために活動する商工会。奈良県内各地の商工会に加入する事業者などを紹介します。
素材にこだわり手作業を継承
1969(昭和44)年に柿の名産地である奈良県五條市で創業し、本年で約55年を迎えた。県を代表する郷土料理である柿の葉ずしの製造販売を営んでいる。創業時より素材にこだわり、手作業での丁寧な伝統製法を守りながら、ヤマトならではの古都の美味を提供している。
宮倉氏は「『おかげさまでの心を伝える、奈良五條の苞ひと品』という言葉を大切にし、自然の恵みから人のつながり、あらゆる感謝の念を日々かたちにしてお客さまにお届けしたい」
(株)柿の葉ずしヤマト
宮倉靖幸 代表取締役
奈良県五條市黒駒町164
四季折々の恵み得て草木染め
四季折々の樹木や草花など山の恵みを得て、奈良県東吉野村の山間の工房で繭(まゆ)から糸を引き、草の糸を紡ぎ、日本古来の伝統的な手法で染めたり織ったりしている。草木染めブランドesinu(エシヌ)を立ち上げ、国内外のセレクトショップや百貨店などで他のクリエイターと共同で展示会を行っているほか、古い林業家の屋敷を改修した工房ではさまざまな染織体験やワークショップを開催している。
宇都宮氏は「体験に訪れたお客さまに宿泊していただける民泊も開始しました」
染織工房空蝉
宇都宮弘子 代表
奈良県東吉野村麦谷239の1
人馬一体となって走る体験を
上級インストラクターによる少人数制のレッスンで、初めての人からプロを目指す人まで、その人に合った指導を行っている。体力に自信がないという人でも、馬にまたがってバランスを取るだけで筋肉が鍛えられ健康にも良い。
藤氏は「馬の優しい目を見つめ、触れ合うだけで癒やされると思う。人馬一体となって馬場を走る爽快感は格別なので、ぜひ体験してみてほしい」
(株)FUJI
藤雅一 代表取締役
奈良県平群町福貴696
高品質なイチゴを生産し販売
奈良県五條市で柿や梅の生産を行う小さな農園から始まった。「Kajurare」は造語で、柿や梅の「Kaju(果樹)」と価値が高いモノの意味「rare」をつなげて命名した。創業87年目。需要の高まりに伴い、2022年7月には新たに天理市内でブランドイチゴ「古都華」の生産・加工・販売を開始した。
山本氏は「今後も伝統や経験にとらわれず、環境制御などのIT技術を駆使して持続的な農業を行うことで、安定的に高品質なイチゴをお届けしていきたい」
Kajurare(カジュレア)
山本敏貴 代表
奈良県天理市遠田町440
伝統の味守りつつ新製品開発
170年ほど前から6代続く製茶業者として、「天日干しの番茶づくり」という伝統製法を守ってきた。その製法を守りつつ、お茶を生かした新しい製品を開発しようと、「大淀SDGsチャレンジ事業」に参加した。
同事業では、奈良県大淀町の町内事業者らと意見交換を重ね、その成果として、町内にある米屋のドライフルーツとコラボした「嘉兵衛本舗オリジナルブレンドティー」が完成した。
代表の娘で後継者の堤有佳氏は「ここでしかできない伝統のお茶の味を守りつつ、このブレンドティーを皮切りに、新たなビジネス展開を検討していきたい」
嘉兵衛本舗
森本正次 代表
奈良県大淀町中増1561
大淀町にある嘉兵衛本舗の茶畑