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中小企業の人手不足 質的な人材確保が鍵 経営者が自ら発信 - 奈良経済をつかむ(13)

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 中小企業では人手不足が喫緊の経営課題となっている。約3年続いたコロナ禍から脱却し、宿泊業や飲食店などを中心に客足が戻る中、人手不足感が高まっている。

 

 帝国データバンクが実施した調査では、2023年4月時点で正社員が「不足している」と感じている企業の割合は51・4%を占めている。従業員の離職や採用難などで人手を確保できなかったことが要因となった倒産は、23年上半期で110件発生した。前年同期から約1・8倍に増えており、13年の集計開始以降、年半期ベースでは過去最多件数を更新した。

 

 奈良県内の企業では、雇用の安定化を図るために賃上げや完全週休二日制を取り入れるなど、労働環境の改善に取り組む企業もあるが、どれも即効性に乏しく十分な成果を上げられているとはいえない。

 

 一方、全国から働きたいと応募がある県内企業も存在する。SNSなどを通じて将来の自社の方向性を積極的に発信し、さらには経営者が自ら語り、その人間性もしっかりと伝えられている企業である。

 

 優秀な人材は、その会社で5年後、10年後のキャリアプランが具体的にイメージできるか、その経営者のもとで働きたいと思えるかという点を、賃金や労働環境などの条件よりも優先する傾向にあるのではないだろうか。

 

 県内中小企業は、量的な人手不足解消と同時に質的な人材確保を意識した戦略が求められる。

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