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「次世代へたすきを」 - 川島英彦大和ハウス工業みらい価値共創センター センター長インタビュー

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「地域の皆さんに施設を活用いただき、共創活動を積み重ねていきたい」と話す大和ハウスグループみらい価値共創センターの川島英彦センター長=奈良市西九条町4の同センター

人材育成取り組み、今後の抱負を語る

 

 大人から子どもまで多様な人々が集まり、学び、成長する場を目指す大和ハウスグループの「みらい価値共創センター『コトクリエ』」(奈良市西九条町4丁目)。奈良県川上村出身で大和ハウス工業の創業者、石橋信夫さんの理念や言葉を若い世代に継承する役割も持つ。4月に同施設のセンター長に就任した川島英彦さん(51)に人材育成への取り組みや今後の抱負などを聞いた。

 

 ―大和ハウス工業に入社して。

 

 前職の富士通JAIMSでは所長を務め、社会課題の解決を目指してアジア、米国と連携した人材育成に取り組んだ。大和ハウス工業、あるいは日本人としての個性や特徴を、地域や世界に発信したい。各人が自分自身に誇りを感じる経験には価値がある。その経験を共有し、次世代がわれわれの一歩先を行くことが社会の課題解決につながる。

 

 ―目指す組織づくりは。

 

 価値観を共有し、各人が自立自走できるチームが理想。30年、50年後の目的地を定め、時代の変化に応じて見直しを図ることが大切。中長期の視点で自分のやるべきことをやり、次の世代へたすきをつなぎたい。

 

 ―未来に描く共育・共創の姿は。

 

 コトクリエでは6月から9月にかけて、小学5、6年生を対象に「ジュニア・コトクリエカレッジ」を開校している。「『好き』から未来を切り拓(ひら)く」をテーマに、経済、生物、科学など子どもたちが仲間とともに地域や地球の課題を学び、考える。

 

 イノベーションを起こすには、場数を踏み、体験を蓄積することが重要だ。コトクリエで学んだ子どもたちが成長し、5年後、10年後に体験を共有することが、次の世代の子どもを育むことにつながる。さらに、地域や学校、自治体、企業が一つの輪となり、大きな目標に向かうことで、今まで解決できなかった課題も解決できるようになる。共育・共創を通じ、コトクリエが世の中を変える存在になれば。

 

 ―地域の課題解決に向けて。

 

 現代社会の課題は複雑化して見えにくく、自分事として捉えることが難しい。私たちは、課題と向き合い自分で考える力を身に付ける場を提供したい。大和ハウスグループは今後も企業の力を結集して地域に寄り添い、課題解決に取り組んでいく。

 

 多様性の本質は「好き」を追求し、得意を増やすことであり、その先に課題解決の糸口がある。すぐに芽は出ないが、必ず転換点が来ることを信じ、土壌づくりを進めていきたい。

 

 (かわしま・ひでひこ=大和ハウス工業サステナビリティ企画部みらい価値共創センター次長兼センター長)

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