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ろうけつ染め作家・中井さんが記録映画出演 「普段は見せない」作業風景など撮影

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「matohu」コレクションの服と染色を手がけた中井さん=4月27日、奈良市

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 奈良時代から続く伝統的な染色の技法「ろうけつ染め」の作家、中井由希子さん(39)=奈良市=が、京都で現在公開中の映画「うつろいの時をまとう」(三宅流監督・グループ現代製作)に出演している。映画は服飾ブランド「matohu(まとふ)」を設立した服飾デザイナー、堀畑裕之さんと関口真希子さんに密着したドキュメンタリー。

 

 堀畑さんと関口さんは2010年から17年にかけて「日本古来の美意識」をテーマに17のコレクションを発表。映画は二人の創作過程や思考、ともに服を作り上げる人たちとの対話などを、移ろう自然や街の風景とともに追う。

 

 中井さんは15年以降三つのコレクションに参加した。「なごり」と名付けられたコレクションの最終章では、「名残」の語源となった「波残り」をイメージして、夕暮れの浜辺を「ろうけつ染め」で表現。映画にはその作業風景も登場する。三宅監督は「工房の静寂の中で生まれる、筆の音、布を返す時のきしみなど自然の音が心地よかった」と撮影を振り返る。

 

 「普段は誰にも作業風景を見せない」という中井さんは「撮影時、三宅監督はそっと寄り添ってくださった。きれいな映像に残していただけてうれしい」と笑顔を見せる。「(生地を)受け入れて下さったデザイナーのお二人には感謝している。ろうけつ染めを百年続けて伝統工芸にしたい、という私の思いに賛同してくださったと感じる」と話す。

 

 映画は京都シネマで上映中。4日まで。一般1800円、大学生以下1000円、シニア(60歳以上)と水曜日は1200円。全国でも上映、また順次上映する。詳細は同映画ホームページ参照。

 

 

3〜5日、奈良で体験教室

 

 中井さんと夫で彫刻家の加藤勝久さん(43)は、3日から5日まで、奈良市針ケ別所町717―2の自宅兼工房でワークショップ「山と彫と染」を開く。のどかな里山の風景を残す同所で、木片を使った立体造形遊び(500円〜)や、ハンカチ、ミニスカーフなどの染色体験(2000円〜)を実施する。

 

 午前10時〜午後5時。随時受付で材料がなくなり次第終了。問い合わせは080(3118)0008。

 

 また同町525―3の生活雑貨の店「こころざしのいえ」では同期間、「自然服うさと展」を開催。日替わりで手作りピザやおこわ、パン、地元農産物の加工食品などを販売する。午前10時〜午後5時。

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