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町議ら抜本的改革求める声 町議会総務文教委で対策の方向性検討へ - 広陵町営住宅問題

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 奈良県広陵町で建設会社を経営する男性(73)=同町疋相=が入居中の平屋建て町営住宅を解体して自宅を建築していた問題で、奈良新聞は14日までに、男性の会社が町の公共工事を受注していたことを含めて町議にコメントを求めた。ほぼ全員が問題視し、抜本的な改革を求めている。

 

 男性は低所得者向けの町営住宅に入居、所得が入居基準を大幅に上回るようになってからも町の明け渡し要求に応じず住み続けてきた。さらに老朽化を理由に木造平屋建ての町営住宅を取り壊して2階建ての建物を建築、建築確認申請などの手続きも行っていない。

 

 男性の会社は町が発注する公共工事の指定業者で、数多くの工事を受注してきた。先月も「広瀬川調整池整備工事」を同社を含むJV(共同企業体)が1億1739万円で落札。開会中の6月議会に工事請負契約案が上程されている。今月も新たに2件落札し、2件の合計価格は5千万円を超える。

 

 町議の間では不正入居に憤りの声が上がる一方、町の対応や議会監視の不備を反省する声も多く聞かれた。また、男性の会社が公共工事を落札したことについて、「手続きに問題がなくても辞退すべき」と厳しい意見も目立つ。

 

 あす16日の町議会総務文教委員会で方向性が示される模様だ。

 

 町議14人の声は次の通り。(議席順、政党名の記載がない議員は無所属)

 

 坂口友良議員 これまでやりたい放題だった町営住宅問題が報道で明るみに出て良かった。入札については不正のない契約であれば工事は問題ないのではないか。

 

 堀川季延議員 疋相住宅の問題について、概要は報道前から知っていた。町も議会も自身もぼんやりしていた。落札した町の工事は辞退すべきだ。6月議会で事実関係を確認したい。

 

 千北慎也議員 町営住宅の入居基準について、公正な仕組みづくりや運用方法の見直しが必要だ。公共工事の入札も同じでフェアさを求める。入札条件などを見直し、議会の中でも論議していく。

 

 山田美津代議員(共産) 町営住宅は建て替えなければならない古い住宅だ。不正に住んで会社をやっているのは驚き。困っている人が入居できない。放置してきた議会にも責任がありウミを出していきたい。

 

 笹井由明議員 広瀬川調整池整備工事の契約は有効であっても、住民目線から見て再検討すべき。町営住宅は明け渡しを勧告し、入札も改めて手続きを進めるべき。

 

 山村美咲子副議長(公明) 議会も大いに反省しなければと思う。これを機にルールにのっとり厳しく対応すべき。入札のことも、町はきちんとすべきと思う。

 

 坂野佳宏議員 これまで町が増改築を黙認してきた。議会も含めて責任がある。他に4件の増改築があると聞いている。何らかの対応を取りたい。増改築した5件には何らかのペナルティーを考えないといけない。

 

 谷禎一議員 町営住宅から即刻出るよう町の厳しい対応を求める。工事契約は、住民感情だけでなく、遅延による支障など相対的に考えるべき。

 

 吉村裕之議長 町の責任は大きい。入居している住民から不安の声もあるため、個別の対応も必要。入札の仕組みがどうかも検討していきたい。

 

 吉村真弓美議員(公明) 議員がもっとチェックすべきだった。二度と起こらないように原因究明していきたい。町の甘さもあるが、決してうやむやにしてはいけないと思う。

 

 岡本晃隆議員 町民に説明する上で、問題の詳細をすべて浮き彫りにしてもらわないと、判断・追及できない。町の対応をしっかり見させてもらう。

 

 青木義勝議員 原因をつくった社長にペナルティーを課し、工事契約は辞退してもらうべき。町営住宅に住む他の住民にとばっちりが及ばない形で、町は法的措置を取るべき。

 

 岡橋庄次議員 報道で初めて知った。驚いている。町営住宅は増改築5件を全体の問題として協議しなければいけない。入札について、町は問題ないとしているが、モラルに反している。対応を考える。

 

 八尾春雄議員(共産) 今回のことはいい機会だ。弱い人に強く強い人に弱いという町の姿勢の典型だ。条例違反の会社に損害賠償を求めるなど毅然とした対応をすべき。入札資格のことも考えたい。

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