考古学
弥生前期の水田跡 - 国内最大級 人の足跡も多数/御所の中西遺跡
県立橿原考古学研究所は20日、御所市條の中西遺跡で弥生時代前期(2500~2400年前)の水田跡が見つかったと発表した。隣接する秋津遺跡を含めて、これまでに確認した同時期の水田跡は約4万3000平方メートルに及び、橿考研は「弥生時代前期の水田としては国内で最も広くまとまって確認できた事例になる」としている。
京奈和自動車御所南インター建設に伴い6000平方メートルを調査した。
弥生時代前期の水田跡410区画、約3500平方メートル分を確認。1区画は約9平方メートルで、弥生時代に一般的な「小区画水田」と呼ばれる大きさ。南西から北東に向かって緩やかに傾斜する地形を細かく区切るように畔(あぜ)を設けていた。調査区中央には幅1メートル以上の大きな畔も見つかった。
調査区南側には流路があり、氾濫した土砂が水田全面を覆っていた状況も確認した。田面には人間の足跡(平均長約21センチ)が数多く残っていることから、水田が洪水に襲われたのは、作付け前の春か、収穫前後の秋だった可能性がある。中西遺跡と秋津遺跡ではこれまでに東西約300メートル、南北約300メートルの範囲で、約3300区画の水田跡を確認。さらに東側と西側に水田が広がっていたとみられる。
調査担当の岡田憲一指導研究員は「稲作が伝わって間もないころの弥生時代前期の水田に限ると、日本最大級の遺跡といえる。周辺の地形を考慮すると水田の広がりは10万平方メートルを超える可能性がある」と推測している。
現地説明会は23日午前10時から午後3時まで開催。小雨決行。付近に駐車場を設けるが台数には限りがある。
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