社会

「刺繍釈迦如来説法図」を再現 - フランス刺繍で菅さん古代の技法、200色の糸

国宝を基に再現した刺繍釈迦如来説法図の前に立つ菅さん=30日、生駒市北新町の市生駒駅前図書室 拡大

 生駒市北新町の菅スミヱさん(88)が、古代刺繍(ししゅう)の傑作とされる国宝「刺繍釈迦如来説法図」(8世紀、奈良国立博物館蔵)をフランス刺繍で再現。30日、生駒市北新町のベルテラス生駒5階の市生駒駅前図書室で始まった菅さんの個展で初公開した。2月5日まで。

 再現された刺繍釈迦如来説法図は、縦約110センチ、横約80センチの大作。朱衣をまとって座る釈迦如来の周囲に菩薩や十大弟子らが集い、雲上に天人や神仙が舞う様子を、麻の生地に約200色の木綿糸を縫って表している。

 糸で結び玉を作って連ねる「相良繍(さがらぬ)い」など1300年前に作られた国宝と同じ刺繍技法も使用。また、あえて光沢を抑えた糸を使い、古色の再現を試みている。

 菅さんは40歳ごろに刺繍を始め、現在は生駒市芸術会員のフランス刺繍作家、日野祥子さん(79)から指導を受ける。集大成の作品として仏の教えを表す「曼荼羅(まんだら)」の制作を考えていたところ、平成29年に奈良国立博物館で展示された国宝の刺繍釈迦如来説法図を見て感動。図録を基にした青写真から図案を練り、日野さんのアドバイスも受けながら約2年間かけて制作した。

 菅さんは「これまでで最も大きな作品で、完成できてうれしい。少しずつ違う仏様一人一人の表情を表すのに苦労した」と振り返る。さらに、「最初は最後の作品にしようと思っていたが、不満な部分もあり、もっともっとと思うようになった」と言い、来年の90歳の誕生日を目標に再び同じ作品の制作に挑戦するという。

 菅さんは昨年夏、国宝が展示された奈良国立博物館の特別展「糸のみほとけ展」の際、制作途中の作品を同博物館の内藤栄学芸部長にも見せて、アドバイスをもらった。

 今回、完成した作品を見た内藤部長は「技法や素材などの違いはあるが、国宝の本物に肉薄するほどの刺繍の技術に感服した。これからも新しい作品を作ってほしい」と願っていた。

 菅さんの個展は「釈迦如来説法図」のほか、飛天や菩薩像などの作品10数点を展示。入場無料。開場は午前9時から午後8時(土日曜は同5時まで)。2月1、4日は休館。

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