考古学

県西部で画文帯神獣鏡 - ヤマト王権が配布か/上牧・久渡古墳群

久渡3号墳で出土した画文帯神獣鏡 拡大

 上牧町久渡の久渡3号墳(3世紀後半)で、「画文帯神獣鏡(がもんたいしんじゅうきょう)」と呼ばれる中国製の鏡が見つかり、町教育委員会が1日、発表した。ヤマト王権の拠点だった奈良盆地東南部から配布された可能性が高く、古墳時代初頭の勢力分布を考える上で重要な資料となる。

 宅地開発に伴い約410平方メートルを発掘調査。3号墳は一辺約15メートルの方墳か前方後方墳とみられ、三つの埋葬施設が確認された。

 いずれも穴を掘って木棺を納める簡素な造りで、このうちの一つで画文帯神獣鏡1枚と鉄ぞく3点、鉄やり2点が見つかった。

 画文帯神獣鏡は竜などを浮き彫りした文様帯が中心部を取り巻き、後漢時代を中心に2~3世紀の中国で造られた。出土した鏡は直径約14・2センチ。「環状乳神獣鏡」と呼ばれる形式で、「天禽(きん)四守」「安楽子孫」などの文字が刻まれていた。鋳上がりが良く、後漢の鏡とみられる。

 大阪府和泉市の和泉黄金塚古墳(4世紀後半)で出土した画文帯神獣鏡と同型だが、町教委が埋葬施設に気付かず重機で発掘を進め、発見時には二つに割れた状態だった。

 画文帯神獣鏡は桜井市のホケノ山古墳(3世紀中ごろ)など全国で約150枚出土。邪馬台国の女王・卑弥呼が魏の皇帝から贈られた「銅鏡100枚」にあてる研究者もいる。

 出現期の古墳が葛城地域で見つかるのは初めてで、町教委はヤマト王権に加わった首長の一人が被葬者とみている。調査地には古墳時代末まで7基の古墳が集中し、久渡古墳群と命名された。町教委は古墳群全体の史跡指定を目指す。宅地開発は中止が決まった。

 画文帯神獣鏡などの出土遺物は、5日午前10時から午後3時まで、同町上牧の町文化センターで公開される。問い合わせは同センター、電話0745(76)3610。

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