日本はどんな国なのか。「戦国時代、明治…
日本はどんな国なのか。「戦国時代、明治維新、高度成長期のように、時々、乱暴な実力主義になります。でも何十年かすれば、居心地がいいのか世襲の国に戻って、衰退の道をたどります」。
本紙4月27日付掲載のインタビュー記事で、磯田道史・国際日本文化研究センター教授はこのように指摘している。今の日本の現状は、まさに道の途中ではないか。
経済では日米金利差などを背景に円安が加速し、29日は一時1ドル160円をつけた。輸出大企業やインバウンド関連には朗報かもしれないが、日本全体にとってはどうなのか。
過度な円安は「日本にとっていいわけない。喜ぶような人はちょっとおかしい」と断言したのは柳井正ユニクロ会長。通貨の価値は国力に正比例するのではないか。
政治の衰退も著しい。政治資金パーティー裏金事件の影響を受けて、与党である自民党への不信感が沸騰。28日の衆院3補選で自民が事実上、全敗した。
ただ、衰退の道をたどったとしても再び浮上してくるのが日本の歴史だ。「明治初期の自主自尊の心を振り返りたい」(磯田教授)(栄)