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国原譜

小学校を卒業した車いすの少女が地元の下市…

 小学校を卒業した車いすの少女が地元の下市中学に入学するのを町教育委員会に拒否されたのは、ソメイヨシノが満開となった4月初め。

 以来、少女は自宅で県立養護学校の教師の訪問を受けて学び、まもなく2カ月がたつ。先日、奈良地裁の裁判官が下市中学を訪れて車いすを使う少女の校内での移動について視察した。地裁からは話し合いによる解決の提案がされたという。

 現地記者の報告では、中学の現場は受け入れについて具体的な検討もしていたから、少女の就学が全国的な関心を呼ぶ問題となり、教師たちは複雑な気持ちでいるそうだ。

 28年前は国際障害者年。この年の4月7日付本紙は、奈良と香芝で2人の重度の障害児が中学と小学校へ入学する話題を伝えている。

 もちろん、養護学校の教育を否定したわけではない。地域の学校で学びたいという、子供と親の願いに応える教育を重く受け止めたからだ。まさか、普通学校への就学拒否が今になって起こるとは思わなかった。

 中学の同世代と学ぶ少女の貴重な3年間が、日一日と砂時計の砂が下に落ちるように減っていく。胸が痛い。(水)

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