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思いやりの心受け継いで 高田高生、利用駅に最後の座布団寄贈

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近鉄大和高田駅に座布団を贈る高田高校の生徒=10月25日、大和高田市北本町の近鉄大和高田駅

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 奈良県立高田高校(浜中誠校長)家庭クラブの生徒らが24、25の両日、学校に近く日頃利用している近鉄高田市駅と近鉄大和高田駅に、感謝の気持ちを込めて座布団を贈った。贈呈は10年以上前からほぼ毎年行っていたが、学校のカリキュラム改編に伴い、家庭科の作品を通じて地域に貢献する選択授業「発展家庭」が昨年度で終了。今年が最後の贈呈となった。思いやりの心は両駅が受け継いでいく。

 

 座布団は現在の3年生が2年の時に手作りしたもの。昨年は事情により贈呈が見送られ、今回、改めて下級生から届けられた。

 

 手作り座布団は55センチ四方で、肌触りのよいキルティング布を用い、クッション性と断熱効果の高いウレタン芯を入れた。デザインは生徒が考案。同校の100周年記念キャラクター「たかぴー」「ここぴー」やウサギ、リスなどのアップリケを彩り豊かに配し、校名の略号「TKD」と添えた。凹凸で座り心地が悪くならないよう、ビーズなどの使用は避けたという。

 

 10年以上続くクラブの取り組みに、県教育委員会などに電話や手紙で感謝の声が届いたこともある。「県外からの出張で駅を利用し、手作りの座布団にお尻も心も温まりました―」。家庭クラブ顧問の胡内光代教諭(49)は、「生徒が誰かの役に立つ経験ができて良かった」と活動を振り返る。

 

 25日は1、2年生4人が近鉄大和高田駅に座布団6枚を持参。2年の竹内真央さん(17)は「駅の椅子は冷たいから、温かかったら私もうれしい。駅を利用される人に同じ気持ちになってもらえたら」と話し、駅構内の椅子に座布団を敷いた。

 

 同駅を管轄する大和八木駅の大野豊駅長(56)は「最後というのは寂しいが、来年以降も繰り返し使いたい。温かい気持ちを頂いて、温かい駅にしていきます」と感謝した。

 

 贈られた座布団は、来年3月までの肌寒い季節、冷たい座面からお尻を守ってくれる。

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