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やまと建築詩

法華寺客殿(奈良市)

皇族迎える静寂の空間

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▲皇族が利用する客殿の上段の間(広角撮影)

 光明皇后ゆかりの法華寺(久我高照門跡)。正式には法華滅罪之寺といい、日本総国分尼寺として栄えた。藤原不比等の邸宅を使ったもので、中宮寺や円照寺(山村御殿)とともに大和の三門跡寺院として知られている。

 桃山時代の「本堂」や「南門」「鐘楼」が国の重文に指定されているが、桃山時代の「客殿」などは県指定文化財となっている。また客殿に接する法華寺庭園は名勝に指定されている。

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▲書院の障子の板戸に描かれている絵

 今も皇族が訪れることがある。客殿の入り口は2カ所。皇族方が利用する本玄関と脇に内玄関がある。建物は書院と上の御方(うえのかた)と呼ばれる客殿が隣接し一つの建物のように見える。

 表玄関の棟木に寛文13年の墨書がある。建築様式や柱などの埋め木の痕跡から同年に、桃山時代の書院建築をどこかから移築されたものとみられるが、京都の仙洞御所から移築したという説もある。


▲書院の優雅な手すり


▲2つの入り口が設けられた大玄関


▲名勝庭園から見た書院と客殿


 室内は12の部屋が2列で並び、玄関から上の御方の上段の間まで廊下のようにつながっている。各部屋のフスマには大柄の「裏菊(菊花紋)」と「牡丹(ぼたん)紋」が描かれている。華やかというより落ち着いた雰囲気のする室内は時間が止まったように感じる。静かに目を閉じると華やかな王朝絵巻が脳裏に浮かんだ。



DATA

法華寺客殿

奈良市法華寺町882

客殿と奥書院は非公開。

国宝のなかでも傑作といわれ、光明皇后の姿を写した法華寺本尊十一面観音像が特別開扉されているほか名勝庭園などを公開。庭園からは客殿外観を少し見ることができる。

拝観料は見学時期などにより異なる

問い合わせは同寺0742(33)2261

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。


写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)


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