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やまと建築詩

山田旅館(五條市)

街道筋に江戸の風情

MainPhoto

▲凝ったデザインの窓ガラスが使われている2階客間。
江戸時代から続く新町通りや路地が高い視点から見ることができる

 江戸時代、旧紀州街道沿いに発達した五條市の新町通り。当時は吉野川の水運も盛んで多くの人が行き来した。山田旅館の建物は江戸後期で、市内で最古の旅館といわれている。

 この古い町並みと歴史ある旅館を使った映画撮影が平成19年4月に行われた。市川森一脚本、河合勇人監督、山本未來主演の「花影(はなかげ)」。運命的な出会いと悲しい恋の行方を描いたラブストーリー。「愛する」ことの素晴らしさを描きながら「人間は変わることができる。あきらめないで」とのメッセージが込められている。



離れ座敷と本館部分の接合部。
階段の天井部分は本館のひさし


旅館入り口となるミセノマ。
風格ある重厚な黒い材木が歴史を感じさせる。
正面は2階客間に上がる階段



4間続く2階の客間。
ふすまを開けると広い空間が現れる


路地から見た外観。
江戸時代から続く風情がそのまま残る

山田旅館は初代の山田音治郎さんが「五二館」と呼ばれた江戸後期の旅館を買い、明治40年ごろ始めた。吉野川から近く、筏(いかだ)宿として材木の取引などにも使われた。最盛期は昭和40年代、仲居さんらが忙しく立ち働き結婚式なども行っていたという。現在は3代目の純市さん(70)、八重子さん(68)夫妻。

玄関にあたるミセノマはL字型にドマがある。1階は田の字型の四間取りが基本で後ろにずれてダイドコロ。中庭を挟んで新座敷や水回りがある。ミセノマから上がる2階は左手には四間続く客間の座敷。右手には中庭を挟んで2間ずつ座敷があり、奥の二間が客間。右手の座敷はふすまで仕切られ、ふすまを外すと26畳の大広間になる。

建物東側の妻面には「館二五」という明治時代の屋号が今も。凝ったデザインの客間のガラス窓や真っ黒な柱など懐かしく心地よい空間が今も残り、常連客の心を引き寄せる。



DATA

● 山田旅館 ●

五條市新町2丁目6の8

ミセノマでは喫茶を不定期で営業している。

問い合わせは同旅館、電話0747(22)2125。

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

 

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