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やまと建築詩

菊家家住宅(奈良市) ◎重要文化財

旅籠営む江戸期の農家

MainPhoto

▲梅で有名な奈良市月ケ瀬桃香野に建つ菊家家住宅。
家の前は奈良から柳生を通って伊賀上野までつながる道

 梅で有名な奈良市月ケ瀬桃香野。名張川の流れも望める高台に建つ。奈良市内から柳生街道を通り伊賀上野まで続く道筋にある茅葺(かやぶ)きの小型住宅。今は農家だが、もともと旅籠(はたご)を兼業していたようで、菊家の名も当時の屋号から名付けられたと伝えられる。

 昭和43年に重要文化財に指定された。翌年、部分修理したが各部の傷みがひどくなったため同53年から1年がかりで解体修理が行われ往時の輝きを取り戻した。解体作業中に天井裏から34枚の祈祷(きとう)札が見つかった。札に書かれていた享保元(1716)年から宝暦9(1759)年までの年号が、建築様式や手法などをもとに推測していた18世紀初めごろという建築年代を裏付けた。

▲南側にある「ざしき」。天井にある大きな梁を境に
手前側が旅籠として使っていた部分


▲土間に置かれたカマド。ここからだと、
特徴的な三間取りの部屋割りがうかがえる

▲軒先まで葺き下ろされた茅葺き屋根


▲土間と「しものま」の境にある囲炉裏。
ただ、改修後は使われていないという

 入り母屋造りの茅葺き屋根。南を正面に立つ建物の間取りは一般的な四間取りではなく、前座敷をもつ三間取り。建物の西半分が居室、東半分が土間で、玄関から入ると左手が居室部分の「ざしき」。右手の土間には馬などを飼っていた「まや」、奥はカマドがある「だいどころ」になっている。「ざしき」の北は「しものま」と「なんど」が並んでいる。

 旅籠を営んでいたころは、「ざしき」の奥、タタミ四畳分が菊家家の居住部分になっていたという。天井付近には境界になっていたと思われる梁(はり)が黒光り。茅葺き屋根を軒先まで葺きおろした深い軒を通して、障子を地面に反射した光が照らした。

 土間と「ざしき」の間は柱と板戸で仕切られているが、「しものま」と土間の間は開放状態。上がり口には囲炉裏(いろり)が切られている。この部屋と「なんど」の床は直径約3センチの丸竹を床に敷き詰めた竹座敷になっているが、県内では珍しい手法という。


DATA

● 菊家家住宅 ●

奈良市月ケ瀬桃香野4907

見学は土曜、日曜日で、1週間ぐらい前に電話による申し込みが必要。

菊家源郎さん、電話0742(23)1164。

見学料は大人500円、小・中学生100円。10人以上は団体割引があり。

情報が古くなっている場合がございますので、ご利用の際は必ず事前にお問い合わせください。

写真・文 本紙・藤井博信 (日本写真家協会会員)

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